私たちが食養生の考え方に行き着いたのは、人も含め地球上の生物・植物が生命体を維持していくためには、食のバランス(栄養バランス)が大事だということが出発点になっています。

私たちは常日頃「健康の源は栄養バランスのとれた食事から」と教えられています。生命体は、細胞分裂と細胞の死滅を繰り返し、人間の場合では数か月で体のすべての細胞が入れ替わるといわれています。その源泉となるのが「食(栄養)」です。したがって、健康を阻害する生活習慣などの治療の基本を、食生活の改善=医食同源(食養生)に求めるのは当然のことなのです。

食養生の原点は、いろいろな養分をバランス良く適量摂取することで、身体に備わっている能力、生命力を最大限引き出すことにあります。作物も同じように、土から養分や水分をバランスよく摂れれば、本来、種が備えている能力(品質や収量 、病虫害抵抗など)が最高の状態で発揮され、天候不順などに対しても相当の対応力をつけることができるはずです。

このようなバランスが大切だということは、理屈では理解しているのかもしれませんが、生産者の方のお話を伺っていると、傾向としてどうしても栄養過多(肥料のやりすぎ)のケースが少なくありません。私たちは、その土地の気候、作物の特性、作物の状態、土壌の状態などすべてを総合的に判断し、どのような処方箋がいいのかを検討します。生産者によっては、「これじゃ肥料少ないんじゃないの。」と感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちは自分たちの資材や肥料の売上を伸ばすためにご提案しているわけではありません。あくまで困っている方々の力にならなければ私たちの存在価値はありませんので、この信念は貫いていくつもりです。